「生活記録表」わたしを見守ってくれている

大切なこと
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うつ病生活記録表はうつ病治療の基本

わたしがうつから寛解できた要因のひとつに、生活記録をつけていたことが挙げられます。

うつ病の生活記録表とはその日どのうように過ごしたを表にまとめる書式のことです。

生活記録表をつける効用は、

  • 毎日の行動、気分、食事、睡眠、体調、服薬、等、自分自身の状態を客観的に見ることができる
  • 毎日の生活状況を明からかにして、どんなときにうつ症状や気持ちが変動するか理解できるようになる
  • 継続して記録することで、どんな要因/事象が自分によい影響、悪い影響があるのかを「見える化」することで、自分のうつ状態の改善のヒントを得られる→何をすべきか、しないべきか、などがわかる 等

◎こちらが原紙↓

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毎日記録することで、経時的にどう生活習慣が変化していったかがわかります。

生活記録表をつくるきっかけ

生活記録を付け始めた理由は、それが産業医面談の条件だったからです。

一昨年10月末から休職に入って2か月ほど経ってから会社から生活記録をつけるように言われました。

人事部からメールで送られてきたフォーマットに記録を始めました。一日一行書くだけですが、それもうつ病どん底のころはそれでも億劫でした。

再発防止のヒントがわかる

うつ回復期で気持ちの安定しているときに振り返ることで、再発防止のヒントがわかります。

◎こちらが休職中のうつどん底のときの生活記録表↓

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夜はほとんど眠れていない、日中はやる気がほとんどない、眠気が多い、食事は摂るが量が少ない、外出はたまに嫁様に嫌々買い物などに連れ出されるくらい・・

また、書き間違いも多い。

右の「気分」欄(左側ほど悪く、右側ほど良い)もよくなく、右下の「1週間の振返り、気づき振り返り」欄もマイナスなコメントです。

よく捨てずに保管していたな、と思います。

そもそも、うつ病の人は部屋を片付ける気力も残っていません。わたしもそうでした。

生活記録を振り返ると当時考えていたことが蘇る

寛解した今だから冷静に振り返ることができます。

あの頃、

どうせ眠れないならと、、ほぼ毎夜自殺サイトを視てました・・

どうすれば確実に死ねるか、当時考えていたことはそれだけです。

しかし、うつ病急性期の頃は無気力の頂点ですので、死にたいと思っても、死ぬという行動すら億劫で出来ないのです。

奈落の底・・・当時の生活記録を見ているとそれが思い出されます。

復活のきっかけを思い出すことができる

うつ病は経時的に少しずつ急性期から回復期へ進む性質があります。

つまり、時の経過が病を和らげる側面も少しあります。

生活記録にもその変化が現れてきたのは5月頃です。

うつの奈落から半年ほど経ったころでしょうか、、

少し本でも読んでみようか・・と思う様になりました。

その時選んだのが、「嫌われる勇気」という本です

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ご存じの方もいるかと思います。

100年前のオーストリアの心理学者・精神科医だったアルフレッド・アドラーの理論をわかりやすくまとめた本です。

「人は存在しているだけで誰かに貢献している」ということを意味する一節がありました。

これは心理学的にも確立している理論だそうです。

この本を読んでから、

わたしは存在しているだけ、

それでも誰かの役に立っているというなら死ぬ理由は無い・・・

そう思う様になりました。

この本との出会いのお蔭で自殺念慮は消えました。

わたしを救ってくれた一冊です。

5回読み返しました。

全ての人は生きているだけで誰かに貢献している
アドラー心理学との出会いうつで苦しんでいたわたしは、ある心理学者の学説に出会いました。そのお蔭でわたしの自殺念慮は消えました。100年以上前のオーストリアの心理学者で精神科医でもあったアルフレッド=アドラーです。休職が半年ほど経った4月のあ...

◎「嫌われる勇気」と出会った後の生活記録↓

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ご覧のように睡眠状態が少しだけ改善しています。

一方、日中の疲れはまだ多いですが、ランニングや水泳など運動も少しづつするやるだけの、気力が生まれていることがわかります。

また、「職業センター」に初めてリワークプログラム参加の相談に行ったこともわかります。

「気分」欄が安定を見せ始め、右下の「1週間の振返り、気づき振り返り」欄も状態が少し改善していることが記されています。

回復の萌芽が明らかに見られる状態になっています。

うつ病は急性期から回復期へ

その後、職業センターからも通所に耐えうると判定され、リワークプログラム通所がスタートしました。

◎リワークプログラム通所が始まった頃です↓

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下の「目標」欄に「朝のウォーキング」が加わってきました。

右の「気分」欄も調子の良い日も出てきました。

何といっても、行動内容がびっしりになりました。

きちんと定規を使うようになっています。

右下の「1週間の振返り、気づき振り返り」欄も具体的にしっかり書けるようになりました。

さらに、数か月前に比べて「字」がきれいになっています。

集中力かなり戻ってきています。

わたしがわたしを取り戻し始めた

◎リワークプログラム通所が効果をあげていることがわかります↓

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右の「気分」欄も調子の良い日はさらに増えています。

左の朝の「疲労度」欄も数値が改善しています。

右下の「1週間の振返り、気づき振り返り」欄も状態の良い日が多いことを記しています。

しかも、休日の過ごしかたにもメンションしています。

わたし自身を客観的に観察してよい方向へ向ける力が出てきています。

「ねぎらいの言葉」欄(自分で自分をほめる欄です)には、数か月前はあれだけ辛かった睡眠状態が正常化していることがわかります。

そして、リハビリ出勤→復職へ

リワークプログラム通所が終わり、8週間リハビリ出勤を実施しました。

復職前最後の週の生活記録表です。

◎ほぼフルタイム勤務をやっても問題ないことがわかります↓

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さすがにリハビリ出勤といえども、仕事なので疲労感は増えていますが、これが良い睡眠のトリガーになっています。

右の「気分」欄も変動が少なくなり、落ち着きが出てきていると自己評価しています。

「ねぎらいの言葉」欄も寒さ嫌いのわたしをセルフトークで励ましています。

生活記録を振り返る~うつ病の寛解の過程が見える

復職が決まった今、もう生活記録の提出の義務は無くなりました。

でも、復職という環境の変化があるので、今後も自主的に続けていこうと思います。

自分を客観視するよい方法です。

こころの変化を感じたとき、この1年間の生活記録表を読み返すことにします

きっとわたしがわたしを救ってくれるでしょう。

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