うつ病の再発を防止するために
自分のこころを守る術を身につける
自分自身でこころを守る術を身つけることは大切です。
教条的にこれをしないと効果がない!というものではなく、さまざまな手法があります。人それぞれに合った方法を実践できればいいと思います。今回はわたしがよくやっている「マインドフルネス」という手法をご紹介します。
マインドフルネス
これは、「いま、ここ」で発生している現象のみにフォーカスすることで思考と感情の間に意図的に距離をとってストレスを遠ざける手法です。わかりやすく表現すると、こころと感情の間に壁を作って嫌な感情の発生や侵入を防止する手法です。(←わたしはこのように理解しています)。
視覚のワーク
これは、単に見るだけで感想も評価もしない、見るだけで何も感じないようにするという手法です。
視界に入ってくるものを次々こころの中で単語にします。そして、流す。そんなイメージです。
例をあげてみましょう。
例1)あなたは散歩をしています。様々な光景、モノが目に入ってきます。
→散歩中、次々と見えてくるもの、例えば「看板」「自転車」「車」「信号」「ビル」「並木」などとこころの中で唱えます。ただし、きれいな看板、かっこいい車、など感想、評価はしません。
単に、そこにあるものを「見る」だけです。そして、次の瞬間こころの外に流します。続けていると「いま、ここ」にこころが集中されることで、他の余計な感情が入ってこなくなり、こころが落ち着きます。
散歩の間ずっと続けてみてください。
例2)上司に叱責される場面を想像しましょう。まともに相手すると精神的にも参ってしまいます(たいていがどうでもいい内容だったりしますが、それはさておき・・)。
→こころの中でこう思ってみましょう。「目の前にいるのは、動物園からきた動物。人の言葉をしゃべっている。何か言っている。顔のパーツを観察してみよう。眉はやや太い、しわは深い、よく顔を鼻は高くない、頬は膨らんでいる・・」など。しばらく「見る」だけです。ただし、怖い、面白い、など評価・感情は入れないことです。
会話中ずっと続けてみてください。
するといつの間にか不思議とストレスを感じにくくなります。なれるとストレス自体を感じなくなります。単に見るだけで感想も評価もしない、というのは 例1とおなじです。
音のワーク
これは耳に入ってくる「音」に対して、聞こえてきたそのものを受け流す方法です。「うるさいな」「不快な響き」などと感情にしないことです。では具体的にどうやればいいか例をあげましょう。
例)公園のベンチに座っているとします。様々な音が耳に入ってきます。
→こころの中でこう思ってみましょう。「こどもの声」「車の音」「笑い声」「ブランコの音」など、単に耳に入ってくる音になんの感想も評価もしない、聞くのではなく「耳に入る」だけ、にするという手法です。
この例をさらにシンプルにして「こども」「車」「笑い」「ブランコ」と単語にして、耳で受けて耳から出すようにします。単なる現象であって、受け流すだけです。
不思議とこころが落ち着き、すっきりしてきます。
10分は続けてみてください。
わたしは寝るときに音のワークをやります。いつの間にか眠りについています。
この手法のお蔭で睡眠薬から離脱できました。
実況中継
これは自分が今やっていることを第三者なったつもりで観察する、という手法です。
わかりやすくいうと、今やっていることをアナウンサーになって実況中継することで、思考と感情との間に距離をとる、という手法です。他人になったつもりで自身を見る、という感じでしょうか。
例)あなたは道をあるいています。
これを実況中継しましょう。「手を右左右左・・・信号赤、停止。信号青、歩く。人、すれ違う。自転車、すれ違う。狭い脇道、停止、右よし左よし。歩く。橋、渡る。手、右左右左右左・・・」など、
行為だけをこころの中で実況中継します。
→そのうち、こころが晴れてきます。実況中継してるのは、あなたであってあなたでない。これも「いま、ここ」に集中している行為になります。
マインドフルネスに共通すること
Mind fullness 直訳すると、心をいっぱいにするという意味です。
ストレスから身を守る、ストレスを解消させるという視点からはマインドフルネスとは「いま、ここに集中して」余計な感情が入ってこないようにする、つまりストレスの素を排除するということです。
邪念が入って来てうまくできないときもあります。その時は「戻る」とこころの中で唱えるようにしています。
マインドフルネスのことを考えていると、昔、祖母の法事のときのことを思い出しました。日蓮宗の僧侶が読経の後、親族に向けて短い説法をしてくれました。
「皆こころを清澄にするために、こころを無にしようと努力する。しかし、必ず邪念が入ってくる。そこで、日蓮上人は逆にこころの中をお釈迦様のことでいっぱいにすることで邪念の侵入を防ぐことができると説きました。故にみんなも朝夕の読経をしてください。そのときはお経を読むことだけに専念してください。こころを落ち着かせる効果があるのです・・・」
のような内容だっと思います。まさに、マインドフルネスに通じます。700年ほど前には確立していたこころを平安にする手法なのでしょう。
回数を重ねるごとにうまくできしてみてくださいるようになります。
うつ病の再発防止策でもっとも重要なのはストレス対処法です。
そのひとつがマインドフルネスです。ここに紹介したのはわたしが実践している手法のいくつかです。自分にあったマインドフルネスを見つけてみてください。
予めストレスが発生する場面を予測しておく
仕事や生活の中で、ストレスが発生し得る予定が入っている場合、予めストレッサー(ストレスを発するモノ、人、場面などのこと)の存在がわかっています。
そこから発生するかもしれないストレスへの対処を考えておけば、さらにストレスを軽減、無くすことができるだろうな~と思います。
わたしの場合↓
◇今日は朝イチで別のスタッフのプレゼンに同行
→終了後、会場から会社まで徒歩3kmマインドフルネスの実況中継することにします(ならし勤務中は社用車使用は不可でもあるので・・・)。
◇明日は子供の通院日で車で片道1時間かかる病院まで連れて行かないといけない
→運転中は呼吸法続けながら運転します。
明後日疲れが残ってなければ、うまくストレス対処できていたことになる、ということです。
ストレス対処は振り返ることでブラッシュアップできる
少しずつ復職に向けて負荷を上げていますが、ストレス→コーピング→こころ疲労の残り具合→ストレス対処の採点、しながら進めていっています。
どんなストレスが発生して、どう対処したか、効果は、点数化して日記につけています。
「うつ病転じてノンストレス」の専門家になる!こんなことを考えています。
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