復職後の「不能感」を払拭するには?

その先へ

復職後、職場の現実と自身のギャップに加えて、戸惑い、気持ちの落ち込み、焦り、果たしてやっていけるのだろうか・・・

復職後誰もが感じる思いです。

休職前はできていたことができないのでは、仕事の手順が思い出せない、みんなに追いつきたい、まだ自信がない・・・

正直な気持ちだと思います。

不能感と不安感

これがセットでやってきます。

復職直後は仕方のないことです。

落ち着いてありのままを受け入れましょう。

それでいいのです。

ひとつひとつの業務をこなしていくうちに不能感と不安感は徐々に解消していきます。

「原職復帰」は復職の原則だが

原職復帰にあたって自信の無い業務もあります。

わたしの場合は夜勤です。

サーカディアンリズム障害を1年以上かけて克服してやっと復職への道筋がついたからです。

夜勤はサーカディアンリズム障害を再燃させる可能性があります。

正直怖いのです。

うつ病再燃のトリガーになる可能性があるからです。

(↓サーカディアンリズム)

サーカディアンリズム
サーカディアンリズムとは?「生物は地球の自転による24時間周期の昼夜変化に同調して、ほぼ1日の周期で体内環境を積極的に変化させる機能を持っています。人間においても体温やホルモン分泌などからだの基本的な機能は約24時間のリズムを示すことがわか...

復職者にはそれぞれの悩みがあるはずです。

どんな悩みがあるのか具体的に紙面に書き出してみましょう。

復職直後の「不能感」「不安感」を和らげる3つの方法

そこで、復職後できるだけ順調に原職に復帰できる方法を考えてみました。

①配慮事項の交渉

原職復帰にもステップがあります。

まずは日勤をこなせるようになること。

無断欠勤、遅刻、理由のない早退ゼロ、これは前提です。

休職前のパフォーマンス=休職前と同じ働き方 を意味しません。

うつ病になったのはその強烈なサインです。

持続可能な働きかたへ転換しないといけません。

それを周囲の同調圧力で流されてしまい、休職前の働き方へ戻ってはいけません。

上長やチームに丁寧に具体的にどんな仕事上の配慮が欲しいか伝えましょう。

勇気をもちましょう。

きっとできます。

服薬との関係

ほとんどのうつ病復職者は服薬を継続しています。

わたしも2剤継続して服薬しています。

(うつ病急性期の頃は6剤も服薬してました)

薬の身体に与える影響(効果や副作用)は極めて個人差が大きいです。

例えば、自動車運転禁止規定のある薬を服薬している場合、運転に影響のある人、無い人もいます。

わたしの場合、毎日ではないですが社用車運転中や会議中に不意に強烈な眠気(副作用)に襲われることがあります。

しかし、服薬の継続は復職を円滑にスタートさせるために欠かせません。

主治医の指導でどんな薬剤を服薬いるか会社に伝えることは大切です。

会社も復職者への具体的配慮を考えるヒントになります。

②うつ病を再燃させない「持続可能な働き方」をつくりあげる

具体的に会社の求めるパフォーマンスに近づけるためにどのような働き方の工夫をするか、それは自身で編み出していくことになります。

復職後、何らかの会社から何らかの配慮が得られたら、次は以下の点を自身で考えることです。

つまり、配慮があっても仕事の質は低下させない働き方を考えるということです。

  • 自身でできる工夫は?
  • 労働時間に依存せず、効率とクオリティをブラッシュアップするには?
  • キャリアデザインを具体的に明確に(後述)

Rest & revive

復職後はストレスサインを感じたらすぐ休憩を取り、ストレスの芽を摘むことがとにかく重要です。

そもそも、1日8時間労働やっている人なんてこの世にいるのでしょうか?

みんな疲労を感じたら5~10分は休憩を取ります。

外勤での場合は昼寝することもあります。

そうしないと疲労やストレスが蓄積するからです。

つまり、実際は業務規程で定められた休憩時間より多くの休息を取っています。

(わたしはこのことを「みなし休憩」と名付けています)

毎日こまめに休憩、ストレス対処やったほうがパフォーマンスの維持につながります。

それが人間です。

家庭と仕事の両立

嫁さまが左半身の障害者認定があります。

わたしも精神障害を認定されています。

この夫婦がどうやってストレスフリーで暮らしていくか、大きなテーマです。

例えば、

  • 休職前より定時退社を増やす
  • 時間外業務を意識して削減する
  • 単独で実施していた業務に他者の支援を得る

同僚から適正な支援を受けることは、病休復職者に限ったことではありません。

みんながやっていることです。

さらに、チームワークとチームのクオリティの向上にもつながります。

原職復帰完了の自己判断

会社から配意を貰いながら、先述の通り自身で「新しい持続可能な働き方」を体現して休職前と比べても遜色のない成果を出せるようになったときです。

いつの間にかそうなっていた、という流れが理想でしょう。

その時点で「原職復帰」は完了だとわたしは考えています。

③キャリアデザインを考える

これはとても大切です。

未来のキャリアについて現状を踏まえて前向きに描くことです。

これこそが「持続可能な新しい働き方」に直結します。

わたしの場合、自分は精神障害、妻は身体障害をもちながら、今後も外勤を中心とした仕事を継続することは無理だと考えています。

具体的に何をしたいか?

社内異動か転職か選択肢は自由です。

普段から上長に具体的に伝えることで今後の希望する方向へ処遇が変化していくかもしれません。

わたしはこれをキャリアミーティングと名付けました。

自身の強みは、特性は?

あなたの強み、特性は何でしょうか??

例えば、わたしの場合、誰かの支援、相談業務、メンターリングなどに向いているようです。

これは前職からずっと感じていることです。

(実は前職では得意先のモチベーション向上を図る仕事をしていました)

現在、わたしが外勤営業をやっているのは単に気楽だからです。

仕事のストーリー立てや達成感もありますが、もう飽きてきました。

それに、家庭の事情から外勤も難しくなってきました。

そろそろ「やりたい仕事」をしたくなってきました。

人生は刻々と様々なことが起こります。

平坦な人生なんて無いでしょう。

働き方は年を追って更新していくべきです。

大切なのは未来へ向けて行動すること

実は数年前から本社業務、管理業務への転籍を希望しています。

一度チャンスはあったのですが、うつ病で棒に振りました。

(いまのところ転職は考えていません)

もはや、単に上長に希望する、人事部に年次の自己申告制度で要望する、といった幼稚なやり方では定年まで実現できないでしょう。

より強い働きかけが必要です。

そこで、本社中枢に近い人物に密かにアドバイスを貰いながら人事部に影響を与えられる方法を模索しています。

うまくいくかどうかはわかりませんがやらないよりマシです。

未来は自分でつくることができる

どこまでもやりましょう。

実現できるならゴネ得でもいいじゃないですか(笑)

「もう、自分の幸せを考えなさい、手に入れなさい」

うつになったことは、幸せになりなさい、という強烈な啓示です。

自分を思いっきり褒めて下さい!

うつ病を経て復職を果たしたことは素晴らしいことです。

次は新しい自分をつくるステップです!

コメント

タイトルとURLをコピーしました